17435.jpg
またもや「スルガ銀」の融資が問題に…アパート投資で「業者夜逃げ」、被害者が提訴へ
2018年07月11日 18時53分

「長期の家賃保証があり、スルガ銀行もしっかりチェックしているので安心です」

こうした言葉を巧みに使って会社員らにアパート投資をさせ、一方的に家賃保証の約束(サブリース契約)を破る詐欺的行為をしたとして、不動産業者「ガヤルド」(東京・千代田)に対して損害賠償を求める訴えが7月中にも提起される。

「長期の家賃保証があり、スルガ銀行もしっかりチェックしているので安心です」

こうした言葉を巧みに使って会社員らにアパート投資をさせ、一方的に家賃保証の約束(サブリース契約)を破る詐欺的行為をしたとして、不動産業者「ガヤルド」(東京・千代田)に対して損害賠償を求める訴えが7月中にも提起される。

●「スルガ銀行・スマートデイズ」と似たスキーム

7月11日、代理人の足立格弁護士、池田大介弁護士が東京・霞が関の司法記者クラブで会見し明らかにした。訴訟の原告はまず5人となる見通し。被害者の相談を受け付け、状況を見ながら訴訟を拡大する。スルガ銀行に対する責任追及もしていく方針。(電話相談は村田・若槻法律事務所の足立弁護士03ー3263ー0480まで)

足立弁護士によると、被害者は20代ー40代の会社員が中心。ガヤルドがまとめていた顧客データによると、被害者の総数は少なくとも50人以上とみられる。1人あたりの被害額は土地と建物をあわせて約1億3000万円程度で、単純計算で被害総額は50億円超になる見込みだ。

シェアハウス投資で問題になっている「スルガ銀行・スマートデイズ」のスキームと似ており、融資に際して多額の口座残高があるように勝手に書類が改ざんされるなどの不正が確認されているという。融資を実行したのは、スルガ銀行川崎支店などとされる。

●「破綻ありきで、巨額被害の重大な詐欺事案だ」

原告として名を連ねる5人の場合、いずれも建物が完成しないまま2017年7月、一方的にサブリース契約の解約通知が届いた。建物が完成しないのに巨額の借金は残る形で、返済に苦しむ状況が続いている。

一方、ガヤルドは通知から約1カ月後の8月、宅建業の廃業届を当局に提出した。以降、営業を停止している状況で、関係者の足取りがつかめない「夜逃げ状態」だという。足立弁護士は「破綻ありきで、巨額被害の重大な詐欺事案だ」と指摘する。

会見には、別にスマートデイズ役員らに対する損害賠償の訴えを提起している加藤博太郎弁護士も参加した。加藤弁護士は「会社の名前が違っても、後ろでつながっていることがある。そういった意味で連携を密にしていきたい」と話した。

(取材:弁護士ドットコムニュース記者 下山祐治)早稲田大卒。国家公務員1種試験合格(法律職)。2007年、農林水産省入省。2010年に朝日新聞社に移り、記者として経済部や富山総局、高松総局で勤務。2017年12月、弁護士ドットコム株式会社に入社。twitter : @Yuji_Shimoyama

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る