この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
Cさんは、20年前に住宅ローンを使って住宅を購入しました。家族4人でなんとか生活をしてきましたが、勤務先の給与減少と子どもの教育費が嵩み、銀行カードローン等を使って不足分を補って生活してきましたが、妻も体調を崩すなどしてパート収入も減り、厳しい家計状況になりました。なんとか住宅ローンは滞りなく支払っていますが、住宅ローン以外の支払は毎月7万円で、このままでは住宅ローンの支払も厳しくなると思いました。子供達のためにもなんとか住宅を手放さないで借金を払っていけないかと思い、弁護士のもとを訪れました。
解決への流れ
弁護士は、Cさんの意向を踏まえ、住宅を残しつつ他のカードローンを圧縮して支払う個人再生手続の処理を考えました。住宅の評価は不動産会社2社の査定でもオーバーローン状態でした。住宅以外の借金を調査したところ、250万円でした。特にCさんにはみるべきその余の資産もなく、個人再生手続では、住宅ローン以外の借金を支払う金額は100万円と判断され、3年間で弁済する計画では毎月約2万8000円となることを伝えると、なんとか支払可能ということから、弁護士は個人再生手続を申し立てました。その後、個人再生委員と面談し、再生計画案も認可され、Cさんは再生計画に則って支払を続けています。
Cさんのように住宅を手放したくない、破産手続は職業柄できないという方々が借金整理方法として選択できるのが個人再生手続です。個人再生手続では、100万円以上500万円未満の借金については、原則として100万円を3年間で支払う手続です(それ以上の借金は概ね2割を支払います)。3年間で支払うのが原則ですが、事情によっては5年弁済計画も認められます。また、相応の資産があると必ずしも上記の金額とおりとはなりません。ただし、いくら負債額が圧縮したとしても3年、5年間、支払を継続していかなくてはなりませんので、将来の見通しを踏まえて選択をするのが良いといえます。