犯罪・刑事事件の解決事例
#自己破産

台風による被災があった破産者につき保険金等500万円以上の自由財産拡張を得た事例

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影山 博英 弁護士が解決
所属事務所影山法律事務所
所在地大阪府 大阪市北区

この事例の依頼主

60代 男性

相談前の状況

信用取引で多額の買い付けをしていた株が暴落したため、証券会社に対して4000万円以上の債務を負うこととなり、支払不能となった方からのご相談でした。ちょうど前年に台風被害によって自宅(借地上建物)が大きな被害を受け、未補修である一方、保険金の支給が見込まれました。ご本人は保険金を請求し、速やかに保険金で補修工事を実施することを希望されていましたが、その一方、債権者が自宅不動産について仮差押えの措置を取ったため、債権者の訴訟提起や、さらには給料の差押えを受けて勤務先に知られるようになることをとても恐れられていました。

解決への流れ

破産手続の開始決定を得ることで債権者の法的措置を防ぐべく、ひとまず補修工事は保留して速やかに破産申立てを行うこととし、保険金については自由財産拡張の申立てをしました。開始決定後、管財人に対し、補修工事の見積書や家財の被災状況に関する陳述書、一般的な家財の所有状況にかかる統計資料等を提出して拡張の相当性を訴えた結果、支給された保険金の5割を超える約470万円について拡張に同意を得ることができました。拡張を認められた金員で、ご本人は無事、補修工事を行うことができ、しかも当該建物は管財人が財団から放棄したため、ご本人がそのまま住み続けることができることになりました。その外、生命保険についても自由財産の拡張を求め、持病があることから今後、医療特約に基づく給付を受ける必要が生じる蓋然性があることを資料を添えて管財人に訴えたところ、拡張に同意を得ることができました。拡張額は、合計で500万円を超えました。

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影山 博英 弁護士からのコメント

いわゆる多重債務者ではなく、名のある企業に勤めてそれなりの財産を有していた方が投資の失敗で突然、破産を余儀なくされるに至ったという事例でした。それだけにご本人は精神的にパニック状態になっておられました。一つ一つ問題を解決しながら破産手続を進め、最終的にご希望どおりに自宅の修理もし、生命保険も残すことができ、手続が終わるころには明るさを取り戻しておられました。大きな混乱に陥った状態から立ち直り、平穏な生活を取り戻す、その過程をお手伝いできたことが私自身にとり、とても嬉しく感じられた事件でした。