この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
依頼者の方は、幼いころにご両親が離婚されるなどしたことから、被相続人である母親と20年近くも会っていないという方でした。その母親が数年前に亡くなり、そのことだけは親戚を通じて知り、お葬式にも参列されましたが、相続については何も関わっていませんでした。数年後、突然、母親の債権者(金融機関)から相続人であることを理由として請求を受け、こちらにご相談にいらっしゃいました。
解決への流れ
上記のとおり、長く母親と疎遠で、相続財産について(プラスマイナスを問わず)知り得る立場になかったことを裁判所に丁寧に説明し、相続放棄を認めてもらいました。
相続人は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3カ月以内に相続放棄等の手続きをしなければならないと民法に定められています。この「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、判例上、相続財産について(一部であっても)知っていることが条件と一般に解されていますので、この事案のように、相続財産について(プラスマイナスを問わず)知り得る立場になかったことを裁判所に説明することにより、亡くなってから3カ月、あるいは亡くなったことを知ってから3カ月を経過した後でも相続放棄が出来る場合があります。相続の放棄については、例えば自分が法定相続人となるのかどうかや被相続人の戸籍の取り寄せなど分かりにくい場合もあるかと思いますので、お困りの方は一度専門家にご相談ください。